小沢健二ひふみよツアー参戦(ネタばれ) [音楽]
先日、切なく哀しい喪失感に包まれました。詳しくはこのひとつ前の記事をご参照ください。
しかしながら、このもやもやしたやるせなさを払拭する自信はありました。その翌日には、予てより楽しみにしていた小沢健二ひふみよツアーが待っていたからです。
2日連続で仕事もそぞろで浮足立ち、職場の皆様にはご迷惑をおかけしました。
早めに仕事をあがり、一路NHKホールへ向かいます。
渋谷公園通りの辺りから「チケットを譲ってください」の紙を持った方がちらほら。噂には聞いていましたが、今回の13年ぶり全国ツアーは相当のプレミアチケット化しているそうです。しっかり楽しまなければと決意を新たに会場入りしました。
グッズ先行販売の長蛇の列。
私がハマっていたのはさかのぼることフリッパーズギターの時代です。ドラマ「予備校ブギ」の主題歌の「恋とマシンガン」をテープに撮って聴いていました。確かOPで織田裕二、的場浩司、緒方直人がバックで踊りながら2人歌っていたような記憶があります。今思えば相当のお宝映像でしたね。
あのオザケンと王子様のオザケンが初めは同一人物だと気が付きませんでした。キャラが全然違いましたから。そのうえ、もともと小山田君派でしたから。もちろん岡崎京子の漫画にもハマりましたよ。
コーネリアスのライブには行ったことがありましたが、オザケンはすでに表舞台から遠のいていたので、まさか今日改めて生で観られるとは夢にも思いませんでした。「eclectic」での写真に若干の齢を感じさせていましたから、多少は覚悟していましたが、それは杞憂でした。ほとんど変わっていない当時の面影に、会場が沸き上がりました。
以下、若干のネタばれがあります。
一曲目「流れ星ビバップ」からずっと照明が点きません。途中ぼんやり明りがオザケンを照らし、朗読が始まりました。2003年のニューヨーク大停電を例えに、暗闇の音楽は心や感覚に深く刻まれるという内容でした。そして曲が再開。このまま暗いまま続くのかと不安になりましたが、2曲目の途中からライトが灯り大歓声に。安心しました。以降も合間に朗読が挟まります。これまでの人生経験が反映されたような内容には、ハッとさせられることも多く楽しく聞かせてもらいました。ツアータイトルにもなった「ひふみよ」のルーツを辿ったり、外から観た日本の話など、本当に知性溢れるものでした。
新曲も数曲やりました。どれもよかった。そして、昔の曲もしっかりやってくれたのでさらに嬉しかったです。当然といえば当然ですが、「LIFE」の曲が中心で、後期のシングルや「球体~」からももっと聞きたかったなというのは贅沢かもしれませんが。
当時はあまり好きではなかった「eclectic」ですが、「麝香」を今聞くとすごく良い曲に思いました。年齢と時間が私たちの感じ方を少しずつ変えていったようで。
最高潮のひとつは何といってもスチャダラパーの登場でした。ブギーバックが始まった時、ラップは誰がやるんだ?という疑問を多少感じた人もいたのではないでしょうか。そんな疑問を嬉しく裏切ってくれました。
もっともっと書きたいことが山積です。とにかく13年という時間を忘れてあの頃に戻ってしまいました。公演は3時間という大判振る舞い。最後も結構喋ってくれたので、あのオザケンにしては大々サービスではないでしょうか。これまで再結成や再始動しても残念な感じになってしまっていた方もいましたが、オザケンはさらにパワーアップしていて、内容も深く円熟し、凄く楽しませてもらいました。本当に素敵な時間でした。
本当に素敵な宵のひと時でした。
これくらい素敵な時間を共有させて頂きたかったと、前日のふがいなき試合を悔みつつ。
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